COVID-19
新型コロナウイルス

1. 緊急事態宣言

 先日、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出されました。

そもそも、緊急事態宣言とはどのようなものなのでしょうか。

 緊急事態宣言とは、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、「特措法」といいます。)第32条に定める新型インフルエンザ等緊急事態宣言(以下、「緊急事態宣言」といいます。)を言います。この緊急事態宣言が出された場合には、都道府県知事は、住民に対し、新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができるものとされています(特措法第45条1項)。

 この要請は、法的に外出を禁止するものではなく、「生活の維持に必要な外出」は除かれます。「生活の維持に必要な外出」とは、例えば、医療機関への通院、食料の買い出し、職場への出勤などを言います。緊急事態宣言が出されたとしても、労働者が就業場所に出勤することは可能です。

2. 休業手当

緊急事態宣言及び外出自粛協力要請が出されたことを踏まえ、使用者が一時的な休業を行う場合、これは使用者自身の判断によるものですので、休業手当(労働基準法26条)として平均賃金の6割以上の支払が必要です。

3. 年次有給休暇

使用者自身の判断による休業の場合には、休業手当が必要となりますが、労働者が希望した場合には、年次有給休暇を取得してもらい、通常の賃金を支払うことも可能となります。  

もっとも、年次有給休暇を取得することは、労働者の権利であるため、使用者がこれを取得するように強制することはできません。

4. 雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により急激な事業活動の縮小を余儀なくされた場合等における失業の予防その他雇用の安定を図るため、その雇用する労働者について休業若しくは教育訓練又は出向により雇用調整を行う事業主に対して助成及び援助を行うものを言います。

雇用調整を実施する場合には、労使間で事前に協定し、その決定に沿って雇用調整を実施することを支給要件としています。

本助成金は、一般事業主であれば、指定した雇用調整の初日から起算して1年の期間内に実施した雇用調整(休業・教育訓練・出向)について支給対象となります。

雇用調整助成金の特例措置については、当初不明瞭な点が多くありましたが、徐々に運用等が明らかになってきています。詳細については、厚生労働省の「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」や「雇用調整助成金支給要領(令和2年4月22日現在版)」が非常に参考になります。

「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」

https://www.mhlw.go.jp/content/000625731.pdf

「雇用調整助成金支給要領(令和2年4月22日現在版)」

https://www.mhlw.go.jp/content/000624489.pdf

5. 法的問題及び弊所の対応

❶ テレワーク規程・就業規程の作成、労務相談

緊急事態宣言に伴い、多くの事業者・法人では、テレワーク業務の必要性が高まっています。もっとも、就業規則や運用面において、十分な準備ができていないというのが実情です。弊所では、テレワーク業務をスムーズに行えるよう、テレワーク規程・就業規則の作成依頼を受けつけております。

また、今回の緊急事態宣言に伴う従業員等の労務問題についてのご相談も受け付けております。

❷ 解雇

今回の緊急事態宣言により、苦渋の決断として、従業員や職員の解雇を行うことが考えられます。

ただ、今まで解雇をしたことがない、または、どのような手続を踏めば、従業員等とトラブルにならずに解雇を行えるのか、と不安に思っている事業者・法人は多いと思います。

今回の緊急事態宣言により、解雇する場合、可能性として整理解雇が考えられます。整理解雇は、事業者・法人の事情により従業員等を解雇することをいいます。今回の新型コロナウイルスの影響により、売り上げが下がり、その影響から従業員等を解雇することが整理解雇に当たります。

整理解雇は普通解雇の1つでありますので、解雇予告を必要とします。

また、整理解雇の場合には、以下の4要素から考える必要がございます。

  • 人員削減の必要性

  • 解雇回避努力

  • 人選の合理性

  • 手続の妥当性

上記の4要素の判断は、非常に難しいです。

弊所へご相談いただければ、解雇予告や上記4要素について、詳細にご説明いたします。

❸ 雇止め

事業者や法人では、解雇だけでなく、雇止めも考えていることと思います。

雇止めとは、期間を定めた労働契約の期間が満了したことで、事業者や法人が契約の更新を拒絶することをいいます。

労働契約の期間が満了すると、原則、契約は終了します。他方で、更新を繰り返してきたような場合には、その労働契約が更新されるものと信頼した従業員や職員の信頼を保護するために、法律上、雇止めに歯止めがかけられています。

以下の要件を満たす場合には、労働契約が更新されたものとみなされ、事業者や法人が行った雇止めは違法なものとされます。

 

  1. 従業員や職員が事業者・法人に契約更新の申込をした場合、または期間満了後遅滞なく有期労働契約締結の申し込みをした場合
     

  2. ②の1 当該労働契約が過去に反復して更新されたものであって、雇止めをすることが、期間の定めのない労働契約を締結している従業員や職員を解雇することと社会通念上同視できると認められること
    または
    ②の2 従業員や職員が期間満了時にその労働契約が更新されるものと期待することに合理的な理由があること
    ■考慮要素
    ✔業務の内容(業務の内容が恒常的か臨時的か、基幹的か補助的か)
    ✔更新の回数
    ✔雇用の通算期間
    ✔契約期間管理の状況(更新手続が厳格か形式的か、契約書を作成しない等)
    ✔雇用継続に期待をさせる事業者・法人の言動

     

  3. 事業者・法人がその申込を拒絶することに客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上の相当性もないこと
     

以上の判断は、とても難しいため、雇止めをご検討の場合には、弊所にご相談ください。

❹ 雇用調整助成金

多くの事業者・法人の皆様は、今後、従業員を休業させ、休業手当を支給することを考えていらっしゃると思います。また、休業手当を支給することに伴い、雇用調整助成金の受給申請を検討されていると思います。

雇用調整助成金については、「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」等で簡素化されたとはいえ、まだまだ理解しづらい問題が多く存在しております。

特に休業協定書の内容の決定は、多くの事業者・法人の皆様が苦労されている点であると思います。弊所では、休業協定書案の作成や雇用調整助成金の受給申請のアドバイスに至るまでサポートいたします。

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